【動脈硬化 その1】
動脈の壁が厚くなり、血管のしなやかさが失われるのが動脈硬化、血液の通り道が狭くなって体の組織や内臓の働きが低下し、病気にかかる危険性がましてくる。代表的な病気が狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、網膜出血など。
いずれも生活の質(QOL)を著しく落とす可能性の高い病気だ。
動脈硬化は加齢とともに進む。そうしたことから
「高齢化社会では動脈硬化の予防、治療は重要なテーマになっています」
というのが、お茶の水女子大生活環境研究センターの近藤和雄教授だ。
赤ワインのポリフェノール(抗酸化物質の1つ)研究
で知られ、動脈硬化予防研究も専門にしている。「動脈硬化を進展させるメカニズムが最近分かってきました。動脈硬化も予防や治療の対象になってきている、ということです」と近藤教授は指摘する。
動脈硬化には、
比較的太い血管に起こるアテローム(かゆ状)硬化、血管中膜にカルシウムが沈着して石灰化する中膜硬化、脳や腎臓などの細い動脈に起こる最小動脈硬化がある
が、いずれも血管壁の内皮細胞が傷つく事がきっかけになる。
血管壁の内皮細胞を傷つける要因は、実に様々。現在、動脈硬化を招く
危険因子として、(1)高脂血症(2)高血圧(3)喫煙(4)糖尿病(5)肥満(6)高尿酸血症(通風)(7)運動不足(8)ストレス(9)加齢(10)家族歴(遺伝)
が挙げられている。これらの危険因子が多ければ多いほど、動脈硬化は加速する!
「動脈硬化の危険因子は、加齢、遺伝的体質を除けば生活習慣に密着しているものです。
生活習慣の見直しが、動脈硬化を予防するポイントになります」
と近藤教授。
生活習慣病は、“食源病“と呼ばれるほど食生活との関係は深い...
--- 2003/06/30、日刊スポーツ朝刊、体の危機管理より抜粋 ---
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その2
その3
【動脈硬化 その2】
動脈硬化を起こす危険因子として、まず挙げられるのが
高脂血症
。文字通り血液中の脂質が異常に増えた状態を指している。日本動脈硬化学会では、動脈硬化性疾患を対象に高脂血症診療ガイドラインを設定している。同学会でも、
血清コレステロール値が高いほど冠動脈疾患への危険率が高まるとの調査報告がなされている。
動脈硬化予防を研究テーマとしているお茶の水女子大生活環境研究センターの近藤和雄教授は「高脂血症は、血液中のコレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)の過剰で起きます。
原因は食生活、運動不足、不規則な生活など生活習慣
です。現在では1000万人以上の患者がいると推定されています」という。
コレステロールは、本来細胞膜やホルモンの材料となるなるなど生体にとって不可欠なもの。しかし、コレステロールを含む食べ物を食べ過ぎると、高脂血症を招く。動脈硬化に至るプロセスでは「
悪玉コレステロールとも呼ばれるLDL(低比重リポたんぱく)の酸化が大きく作用する
ことが分かってきました。
酸化を防ぐ抗酸化物質を含む食べ物を摂取する事が大切です。
」と近藤教授。
日本、米国、イタリア、など7カ国を対象とした25年間にわたる追跡調査(Seven・Country・Study)があるが、抗酸化物質であるポリフェノール類を多く摂っている人ほど心臓病の危険性が少ない、結果が出ている。
脂肪摂取量が多い割には動脈硬化患者が際立って少ないフランスの現象は、フレンチ・パラドクスともいわれたが赤ワインに含まれるポリフェノール類がその理由
では...と考えられている。
近藤教授は、「日本人の脂肪摂取量は総エネルギーに対して25%前後、適正範囲にあります。欧米では35〜40%に達しています。ただ20〜40代の日本人は、平均27%を超えているので心配な面もあります。これ以上の上昇を抑えることが肝心。
その為には和食が理想的...
」という。
--- 2003/07/01、日刊スポーツ朝刊、体の危機管理より抜粋 ---
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その1
その3
【動脈硬化 その3】
動脈硬化を進行させる要因として、最近注目されている物質がある。
ホモシステイン
というアミノ酸の一種。肝臓でのたんぱく質合成の過程でつくり出される物質で、
ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6が不足すると、血中ホモシステイン値が上昇する。
動脈硬化予防が専門テーマである、近藤和雄お茶の水女子大生活環境研究センター教授は「ホモシステインは活性酸素を産出するなど、様々な障害を起こします。酸化LDLも同様ですが、動脈硬化をもたらす原因として、活性酸素による害の重要性が分かってきました」と解説する。
米ハーバード大の分析調査によると“葉酸の摂取量の多い人は虚血性心疾患(心筋梗塞)のリスクが31%低下した““ビタミンB6と葉酸を多量に摂取している人は虚血性心疾患のリスクが45%低下した“などとなっている。
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝に関係して、神経伝達物質の生成を促進する作用がある。B12は、DNAの主成分である核酸合成の代謝を円滑にする効果があるとされるビタミン。葉酸も核酸の合成に不可欠。
欠乏すると発ガンにつながるという説もある。
「ビタミンB6はマグロ(赤身)、カツオ、塩ザケ、玄米といった食品に多く含まれます。B12は野菜類にはほとんど含まりませんがアサリ、シジミなど魚介類に豊富。葉酸はホウレンソウから発見されたビタミンです。キャベツやレバー、豆類にも多く含まれます」と近藤教授。
動脈硬化は加齢とともに進行することも事実だが、それだけが要因ではないのも明らか。近藤教授は日本を世界一の長寿国に導いた和食材
(コメ、魚、野菜、海藻、大豆、キノコなど)
の素晴らしさを強調する。「若年層の食生活を考えると今一度和食を再認識して欲しいですね」
--- 2003/07/02、日刊スポーツ朝刊、体の危機管理より抜粋 ---
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その1
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