【食生活の乱れが病気を招く】
人には健康を維持するための、いわば体内インフラが備わっている。その体内インフラの乱れが、病気を招く事になる。つまり健康づくりは、体内インフラを如何に守るかが基本となる。その点から、最近注目されているキーワードがある。
「活性酸素」と「腸内環境」だ。
健康長寿につながるカギ
といってもいいだろう。
その2
その3
【健康長寿のカギ、体内インフラの整備】
人の体は約60兆個の細胞で構成され、その細胞が生きていくためには、安定した環境が必要になる。「体内インフラ」とも呼べる仕組みは、体内環境を守るために働いているといえる。最近良く耳にするようになった
活性酸素は、正常な細胞を酸化することで生活習慣病を筆頭に万病の元
、と考えられるようになってきた。
ビタミンなどによる活性酸素(フリーラジカル)消去機能と、疾病の予防研究で知られる吉川敏一京都府立医大教授は
「細胞の化学変化を調べると、ほとんど全ての病気で、細胞が酸化により変性することが直接のきっかけになっていることが分かってきました。また、老化の原因の一つに細胞の酸化があります」
という。
活性酸素は安定していない分子を持つため、細胞の分子を奪う働きがある。そのため、正常な細胞が逆に安定しない状態になる。「端的な例が鉄。酸素によって錆びるとボロボロになります。これが人の細胞に起こるわけです」(吉川教授)
活性酸素は細胞の一つ一つがエネルギーを産生する時に必ず発生する。その為、抗酸化酵素やビタミン類などの抗酸化物質は酸化を防ぐシステムも備わっている。活性酸素の量と酸化を防ぐ力の差が、活性酸素の害を受けるか受けないかの境界線になるといえる。
腸内環境は健康を維持する体内インフラの柱ともいえる存在。日本における腸内環境研究の草分けでもある光岡知足東大名誉教授は
「大腸内には100種類以上の細菌がすみついています。研究で、健康維持に働く善玉菌、健康阻害に作用する悪玉菌があることが分かりました。そのバランス(腸内フローラ)が健康を左右しています」
という。
ビタミン類摂取で抗酸化作用を促進!
腸内細菌の研究は17世紀までさかのぼるが、その働きが分かってきたのは近年。特にバイオ法、生態学の発展もあって最近の研究成果は目を見張るものがあるといわれている。
「胃がん患者を健常者と比較した研究では、がん患者にはいくつかの悪玉菌が多く、ビフィズス菌などの善玉菌が減少している、という結果が出ています。痴呆症についても健常高齢者と腸内フローラを比較した結果では、痴呆症患者に悪玉菌の代表であるウェルニッシュ菌の菌数が異常に高いという特徴がありました。」
(光岡名誉教授)
腸内の善玉菌はビタミン・タンパク質の合成、消化・吸収の補助、免疫機能の刺激など健康維持に働くことが分かってきている。悪玉菌は腸内腐敗、発癌物質の産生、毒素産生などに関与し、肝臓障害・動脈硬化・高血圧・癌を起こすといわれる。高齢者の腸内フローラはしばしば乱れ、ビフィズス菌がまったく検出できない例もあるという。
オリゴ糖と食物繊維で腸内環境向上!
活性酸素と腸内環境は体内インフラの維持に大きな影響を与えるが、そこに大きな共通点がある。食生活(栄養素)との関りだ。
「抗酸化作用の大きな働きをするビタミン類は体内では合成できない物質です。外から摂取するほかありません」
(吉川教授)ということだし
「動物性タンパク質や脂肪の摂り過ぎは悪玉菌の働きを活性化します。一方悪玉菌を抑える善玉菌のビフィズス菌の好物はオリゴ糖です。植物繊維には便秘を防ぐほか、発癌物質を排出する効果もあります。食生活のバランスが腸内細菌バランス(腸内フローラ)に大いに関係します」
(光岡名誉教授)ということになる。
予防医学では、細菌ヘルス・プロモーションという言葉が強調されるようになっている。体全体を良くする方法を今の生活習慣にプラスしていく考え方だ。活性酸素の害を防ぎ、腸内環境を整えることは体内インフラを守り、ヘルス・プロモーションに直結する。
健康志向の強まりもあって、健康食品、サプリメントへの関心も高いが、体全体を良くする観点からの利用法を考えるべきであろう。
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その1
その3
【体調機能を調節するサプリメントとは】
「衰え感じる」90%
明治製菓株式会社ヘルス・バイオ研究所は、6月に20代以上の首都圏在住の女性を対象に「現代女性の体の衰えに関する意識調査」を実施した。有効回収数は3,631サンプル。調査結果では「衰え」を感じた事のある人は90%、20代の「衰え自覚者」は82.7%だった。衰えの開始年令は32.3才。
健康への2大対策としては「
栄養のバランス
」(38.9%)と「
サプリメント
」(37.1%)
。サプリメントの利用経験者は88.2%、毎日利用する人は55.2%だが、効果を感じていない「非実感派」は、60.8%だった。
必要な栄養素が必要なところに届く
日本では健康食品というと漠然としたイメージがあるが、欧米では健康食品はサプリメントと呼び、食事の一部として日常的に取り入れられている。
サプリメントが注目された理由は、
食べ物の働きとして栄養
(1次機能)、
味覚
(2次機能)の他に
体調調節機能
(3次機能)を備えていることが明らかになってきたからだ。
体調調節機能とは有害物質の中和解毒作用や健康増進に働く作用など
多岐にわたる。
3次機能食品は
、
病気予防・回復効果
(高血圧・糖尿病など)、
体調リズムの調節、老化抑制
(過酸化脂質の抑制)など、
生活習慣病の予防・改善に役立つ効果を発揮するもの
と期待されている。厚生労働省では、01年から保健機能食品制度をスタートさせ、健康食品を
「特定保健用食品」
(保健用途の表示ができる)、
「栄養機能食品」
(規格基準を満たせば栄養成分機能表示もできる)、
「その他の健康食品」
(栄養成分含有のみ表示できる)の3つに分類している。
8000億円規模といわれる健康食品市場。種類も2000種類以上と推定される。様々な新商品が開発され、1つの有効成分を強調するのではなく、
必要な栄養素が必要なところに届くように「体内インフラ」を整備するという新しいタイプのサプリメントも登場する
ようである。
中でも、
善玉腸内菌のビフィズス菌を活性化するフラクトオリゴ糖や抗酸化物質(ビタミンA・C、リコピン、βカロチンなど)を組み合わせたもの等が注目
である。
--- 2003/07/31、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---
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