【夏を乗り切る 脳梗塞その1】 
 暑い夏、サウナで汗を流してサッパリするのは気持ちのいいものだ。しかし、高血圧や高脂血症、糖尿病など動脈硬化のリスクがある人にとっては、危険な行為。脳梗塞の引き金になりかねないのである。
 脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気。冬に多いと思われがちだが、それは血管が破れる脳出血の方。東京都済生会中央病院内科の高木誠部長によると「脳梗塞も夏と冬、両方とも発生率が高まるのですが、特に夏に発作を起こす人が多い」という。

 冬は、寒さによる血圧の上昇が発作の引き金になりやすいが、夏は何といっても暑さが問題。発汗によって水分が失われると、血液が濃縮されて脳の血流量も低下する。その結果、脳の血管を流れる血液が固まりやすくなり、脳梗塞を起こしやすくなるのだ。高木部長が特に危険と指摘するのが高齢者。「高齢者はもともと体内の水分量が減少しているので、脱水になりやすい。ここに発熱や下痢、水分不足などが重なると脳梗塞の誘因になりることがある」という。

ペットボトルを携帯して水分補給

 予防には、まず十分な水分の補給が大切。高齢者は水分を多くとるとトイレが近くなる。特に夜トイレに起きるのが面倒だからと、水分摂取を控える人がいる。だが、高木部長によると、寝る前にも水分を補給することが大切なのだそうだ。「寝ている間は水分補給が無いので、ふつうでも体内の水分が不足がち。寝ている間に脳梗塞の発作が起きて、朝起きたら体が動かない。それで、発作に気付く人も多いのです」

 食事でとる水分以外に、1日1gは水分をとり、汗をかいたら即水分を補給する。ペットボトルを持ち歩くのもいい方法。若い人も要注意。高木部長はサウナで大量に汗をかいた後に、脳梗塞を起こした若い人を何人も見ているという。
--- 2003/08/04、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---

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 【夏を乗り切る 脳梗塞その2】 
 脳梗塞は、発汗で体内の水分が失われやすい夏には特に注意が必要な病気だ。発作の程度によっては、手足が動かない、言葉が出ない、判断力が低下するなど重い障害を一生抱えることになる。夏には水分補給を心掛け、血液の塊=血栓をできにくくすることが大切だ。さらに、重い発作を防ぐためには「一過性脳虚血発作」の状態で病院を受診することが、極めて重要になる。

数分で治まる発作も甘く見ないで

 東京都済生会中央病院内科の高木部長によると「一過性脳虚血発作は、軽い脳梗塞の発作で、24時間以内に症状が消失するもの」という。発作は、数分から30分以内で治まることが多い。そのために、症状を甘く見て放置する人が絶えないという。だが、その後には、大きな発作が待ち受けている事が多い。

 「一過性脳虚血発作の場合、脳の血管に詰まっている血栓は血小板血栓といって、もろくて壊れやすいのです」と高木部長。血小板は、血液を固める成分。血小板血栓が壊れると血流が再開するので、症状も短時間で回復する。しかし、こうした発作を繰り返していると、やがて血液中のタンパクが固まって大きくなり、赤血球まで血液の塊に取り込まれる。
 こうなると、血栓はガッチリと血管を塞ぎ、血流を止めてしまう。その結果、重い脳梗塞発作が起こるのである。「実際に一過性脳虚血発作が起こる人は、脳梗塞のひとの2〜3割。7割はいきなり発作を起こします。しかし、その中には軽い人もいます。詰まり、一過性脳虚血発作と軽い脳梗塞発作が起きた時に、直ちに受診することが大切なのです。」
 いわば、一過性脳虚血発作は本格的な脳梗塞の前触れ。この段階で治療して、本格的な脳梗塞を防ぐ事が大切なのだ。

--- 2003/08/05、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---

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 【夏を乗り切る 脳梗塞その3】 
   一過性脳虚血発作は、脳梗塞の重大な前触れ。この段階で専門病院を受診すれば、重い脳梗塞の発作を防ぐ事もできる。東京都済生会中央病院内科の高木部長によると、症状は血管が詰まった部位によって異なるが「一時的に片側の手足が動きにくくなったり、ろれつが回らない、言葉が出ない、眩暈やふらつき、体のバランスがうまく取れないなどの症状があり、まもなく治まる」のが特徴だという。

重大な前触れ見逃さず、専門医の受診を

 眩暈やふらつきなどは、ありがちな症状。暑さで疲れた所為だろう、などとタカをくくっていると、大きな発作につながることもある。実際に耳鼻科を受診しても異常なしで済まされることもあるという。高木部長によると「眩暈は。グルグル天井が回るような回転性の眩暈より、フラフラしたり、バランスがとれなくて歩けないということが多い」そうだ。これに、ろれつが回らない、手足が動かしにくい、シビレなどの症状を伴うと、かなり一過性脳虚血発作の可能性が高い。
 また、脳が原因とは分かりにくいのが「一過性黒内症」。文字通り、片側の目が突然数分間見えなくなる。高木部長によると「首の頚動脈から脳に血液が流れるのですが、頚動脈は動脈硬化が起こりやすい血管。ここにできた小さな血栓が網膜に行く血管に詰まって一時的に目が見えなくなる」のだそうだ。

 驚いて、大抵の人は眼科を受診する。しかし、眼底検査でも異常が分からないので、一過性脳虚血発作とは気付かれないこともあるそうだ。ほっさは、数分から30分以内に終わることが多いので、そのままになってしまうこともある。
 一過性脳虚血発作の段階で脳梗塞を食い止めるには、自分で危険性をキャッチし、脳神経内科など専門医を受診することも大切なのである。

--- 2003/08/06、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---

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その1その2その4その5
 【夏を乗り切る 脳梗塞その4】   
発作が起きたら、迷わず救急車!?

 脳梗塞の治療には「ゴールデンタイム」があるのを知っているだろうか?人が心臓を押さえて苦しんでいたら、大抵の人は即座に患者を病院に運ぶ。心臓発作は命に直結すると思うからだ。しかし脳梗塞の場合、血管が詰まった部位によって症状も様々。何だか手足が動きにくいなど、軽い症状だと「取り合えず様子を見ようか」という人が多い。

 だが、東京都済生会中央病院内科の高木部長によると「脳梗塞の人の3〜4割は、発作後2,3日から1週間ぐらいの間に症状が進んでいく」という。ジワジワと脳梗塞が広がり、翌日には歩けない、言葉が出ないなど思いもよらない事態になっているのである。

 「発作から2,3日経って受診しても、もう症状は固まっているので、できる事は限られています。少なくとも発作から6時間以内、どんなに遅くとも24時間以内には受診して欲しい」と高木部長。理想を言えば、治療までの時間は3時間以内。できるだけ早く治療を開始して、脳の障害を最小限にくい止めることが脳梗塞治療の最大の目標なのである。
 となると「近くのかかりつけの先生のところに取り合えず行って」では、遅い
 救急車を呼んで、専門病院で直接受診するのが基本だ。そして、今は脳梗塞にもいい治療薬ができている。脳梗塞になると、血流が途絶えた先の部分で脳細胞が死んでいく。だが血流がゼロになるわけではないので、中には生死の境目ギリギリのところにいる脳細胞もいる。これを助ける治療が進んでいるのである。但し、その為には脳梗塞であるという正確な診断が必要。そうした治療を一刻も早く受けるためにも、専門病院で受診することが必要なのである。

--- 2003/08/07、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---

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その1その2その3その5
 【夏を乗り切る 脳梗塞その5】   
血栓溶解療法と脳保護薬に注目

 脳梗塞による障害を最小限にくい止める方法として、今注目されているのが血栓溶解療法と脳保護薬だ。血栓溶解療法は、血栓を溶かして、詰まった血管を再開させる方法。東京都済生会中央病院内科の高木誠部長によると、脳梗塞の発作直後には、まだ生死の境目にある脳細胞があるという。血栓溶解療法で血流が再開すれば、こういう細胞を助けて脳の障害を最小限にくい止める事ができると期待されている。

 米国では、3時間以内にこの治療を行うと障害が少ないという結果も出ている。但し、この治療は両(もろ)刃の刃(やいば)という面もある。「もし、脳梗塞を起こした部位で脳細胞が死んでいると、血管も破綻していますから、血栓が溶けて血流が再開すると、そこから出血して逆に悪くなることもあるのです」。つまり、脳細胞が死んでいるか、生死の境目にあるかで治療結果は全く違うのである。そこで、既に脳細胞が死んでいるかどうかなど、血栓溶解療法の対象を明らかにする研究が進んでいるところだ。

 一方、生死の境目にある脳細胞の死を延ばし、血栓溶解療法など治療が有効な時間を延ばすと期待されているのが、脳保護薬。2年前に世界で初めて日本で認可された薬である。「生死の境目にある脳細胞は、活性酸素などがたくさん発生して死に至る。脳保護薬はこれを抑える」という。
 これまで、脳保護薬は動物実験では良くても、人間に使うと効果が出ないものが多かったが、高木部長は「今回は割合成績がいい印象がある」と語っている。
 他にも、血液を固まりにくくする治療はいろいろある。その場合も、できるだけ早く、できれば発作から6時間以内に治療を受けるのが原則。同じ程度の脳梗塞でも、それで残る障害の程度が全く変わってくるのである。

血栓溶解療法⇒静脈注射の場合、発作後3時間以内に投与するのが原則。日本でも既に臨床試験が終わって、結果が良ければ保険適用になる。
--- 2003/08/08、日刊スポーツ朝刊より抜粋 ---

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 【ミラクルマンより皆様へ】    ホームページに記載してあります記事は、あなただけが理解しても不十分です。ご家族の方にも理解していただきましょう。何故ならば、知識を持った方が意識を失ったら...もう、お分かりですね。気が付く人がいなければ、助かるものも助からない...ということなのです。そして、病院の選択は事前にしておく事も忘れずに。

日頃から、病院の選択をしておきましょう

 何気なく読んだ日刊スポーツの新聞記事から、「これ以上犠牲者を出さないためにも、ホームページに掲載しよう...」との思いで始めました。日頃から、「高熱が出た時は○○病院」「咳が続いている時は△△病院」「下血の時は◇◇病院」「頭痛や眩暈・嘔吐の時は☆☆病院」という具合に、助けて頂く病院を決めておきましょう。取り合えずいつものところへ行って...では、間に合わない時もあります。信じる所と任せる所をお間違えの無いようにお祈りしております。受診は契約です。くれぐれも契約先をお間違えの無いように...。健康合掌